なぜ「全身ユニクロ」はダメなのか？

「全身ユニクロ」は本当にダメなのか？

昨今のファストファッションの隆盛。
ユニクロも完全に市民権を得ており、それどころかアイテムによっては他ブランド裸足なくらいのクオリティのものもある。
それでも「全身ユニクロ」がダメなのか？
みんな着ているし。
素材やデザインだってこだわってるじゃん。
何より安いし。
服に高い金かけるなんてバカらしいよ。

わかる。その意見を言いたくなる気持ちは痛いほどわかる。
けど、それでも、やはり「全身ユニクロ」はダメなのだ。

それでも「全身ユニクロ」がダメな理由

ユニクロはファストファッション企業である。
便利で、安価で、誰にでも、一定以上のクオリティの服を。
そういう理念で動いている企業である。
ユニクロの服は機能性に優れる。
ヒートテックなんて本当に優れものだ。
寒い季節のインナーに一枚入れるだけで体感温度がぜんぜん違う。
この夏ヒットしたエアリズムも便利だった。
汗をかいてもすぐ乾く。普段着だけでなく、スポーツウェアとしても役に立った。
また、ユニクロの服のクオリティは値段からすると驚くほどだ。
今年ラインナップしたスーピマコットンのインナーウェア。
本当に上質なコットンを使い、きっちりと仕上げられている。
余談ながら、このスーピマコットンのカットソー、本当にオススメだ。
夏場はこれ一枚でトップスが完成するほど上質の素材感だ。
値段だって安い。それなりのブランドのアウター、30000円を買う金があれば、
上下セットのコーディネートに下着に靴下まで揃えられる。
その上、店舗がたくさんあって、いつでもどこでも買える。
さらに、誰でも着れる。
そして、だから全身ユニクロはダメなのだ。スポンサードリンク




何も僕は、誰でも買えてみんな着てるからユニクロがダメだ、と言いたいわけじゃない。
みんなが着てたってそれが本当にいいものなら構わず着ればいいし、
アイテムが被っても着こなしでいくらでもどうにでもなる。

ただ、問題なのは、「誰でも着られる」というところにある。
もう一度言う。ユニクロはファストファッション企業である。
だから「誰でも着られる」服しか作らない。
なぜなら、ターゲット顧客が「服を着る人全員」だからだ。
それがファストファッションというものである。
だから、ユニクロの服は冒険をしない。
デザイナーズブランドのように、大胆なシルエットで着る人を選んだりしない。
体型が多少ふくよかであろうと、問題なく着られるように作る。
（細身の人と太い人なら太い人でも着られるように作る。細身の人は、多少ブカブカでも着られないわけではないからだ）
結果として、ユニクロの服のシルエットは「オーソドックス」な、過度な標準化がなされたものとなる。
それはあなたにぴったりの服ではない。
もちろん、あなたにぴったりなユニクロの服だってあるだろう。
だが、全てが全てそうであるとは限らない。
どこまで言ってもユニクロの服は、
「誰にでも着られる服」の域を出ないのだ。

なぜ我々が一張羅のスーツといえばオーダーメイドと考えるのかを意識しよう。
体型にぴったり合うシルエット、できれば色やデザインや生地も、その人にぴったり。
そんな服こそが一張羅にふさわしい。
口には出さないながらも、無意識で我々はそう理解しているのだ。
メンズファッションの最高峰はオーダースーツにあり。
そしてその対極にいるのが、ユニクロなのだ。

とはいえ別に全身ユニクロでも構わない

全身ユニクロでも死にはしない。
ユニクロは冒険をしない。誰でも着られる服を作る。
だから、ユニクロを着ていて「ダサい」と思われることは実際、そんなに多くない。
ただ、「オシャレだね」と言われることもほぼない。
「全身ユニクロ」のあなたは、「どこでも買えて」「誰でも着られる」服を着ているだけの人。
それだけだ。
それはファッションの思考停止だ。
一歩抜け出すのなら、自分の頭で考え、自分の身体を理解し、自分の求める服を探さなければならない。
その道は厳しいが…。
ただし、である。それを理解した上でのユニクロは、今度は別の側面が見えてくる。
「このアイテムはユニクロでも問題ない」
「ユニクロのこのアイテムは、自分の求めるスタイルに合う」
そんな視点が身につけば、ユニクロは安い価格で上質なアイテムが手に入る、オシャレの宝庫と化す。
そのためのTipsをこのブログでは書いていくつもりだ。

そういうわけで、オシャレになりたいなら、ユニクロとは賢く付き合うことだ。
僕の結論としてはこうなる。